hiro-nakayamaの日記

日暮れまでには、まだ時間がある。

映画

■私はそこにいる「IO SONO LI」

私はそこにいる「IO SONO LI」 という原題のイタリア映画『ある海辺の詩人』(2011)は、 近年ではオレの、もっとも深く共感した作品のひとつであった。 何度もヴェネツィアへ行ったが、この映画はヴェネツィアの、 ラグーン(潟)リド島の先のキオッジャと…

■ポケットの中から。

ヴェネチアのホテルで、愛を囁きながら、 お互いのものを盗み合う〈ガストン〉と〈リリー〉。 しかしリリーは、「アンタは泥棒でしょ」と、 貴族に成り済ましたガストンの正体を見抜く。 それはガストンのポケットから財布を盗んで判ったのだ。 ガストンは、…

■新たな世界は、レンタル落の旧作映画の中にあったとは、なん という皮肉なのだ。

タイヤ交換の合間に立ち寄った、 レンタルビデオ店で買った3本1000円のレンタル落ちDVD。 それを観て、オレはまったく新たな時代の胎動を知った。 トルコのヌリ・ビルゲ・ジュライン監督の大傑作、 『読まれなかった小説』(2018)は、映画のニューワールド…

■私だけの十字架を探して。

《日本語の「いのり」の語源は、「生(い)+宣(の)り」 であり、「いのちの宣言」を意味する。》 なんてネットにあったけれど、 その説明には、なに言っているんだろうね。とオレには、 なんだかこじ付け感たっぷりでピンと来ない。 その「祈り」という認…

■人は見えない糸で繋がっているのか。

「人間失格」・「死の都」・『ラ・パロマ』と続いたら、 次は当然『ファントム・スレッド』(2017)となる。 これは実に美しい映画なのである。しかし・・・、 〈Phantom〉は幻影。〈Thread〉は縒り糸を構成する一本の糸。 派生して、同時進行する事象のうち…

■ことばの内奥に潜む観念の映像化を廻って。 ~ヴィム・ヴェンダース『夢の涯てまでも』

どこも美しく彩られた立冬への道をぐるりと廻って、 季節も風景も一瞬の積み重だよな。と感動しつつ立冬も過ぎた。 この秋はヴィム・ヴェンダースの映画にハマっていたが、 70歳も半ばとなって、50年間の作品群を改めて26本。 連続鑑賞できることは、オレ自…

■生きてゆく事の素晴らしさ。

ビクトル・エリセの31年ぶりの新作『瞳をとじて』の、 エリセの圧倒的な集大成の映画体験から、 オレは立ち上がる事は出来なかった。 だからそのまま寝るしかなかった。 しかし翌日も、その翌日も、瞳をとじれば、 闇の中にエリセの光が灯っている。 ならば…

■週末の二本立て。

ヴィム・ヴェベンダースとアキ・カウリスマキの新作。 『パーフェクト ディズ』と『枯れ葉』は、 この季節に観るにふさわしい二本立て映画だった。 ヴェンダースの光に包まれて、みらい都市TOKYOも、 役所広司も石川さゆりも三浦友和も、 しっかりと、ヴェン…

■ロートレックの生涯。

オレは30年ぶりに、『赤い風車』MOULIN ROUGE(1952)を鑑賞した。 芸術の秋だからな。 ジョン・ヒューストン監督が20年に及ぶ構想をもって、映像化したこの作品は、 素晴らしいロートレック論であり、芸術論でもある。 だからほいほいと消費はできないので…

■『THE LIMITS OF CONTROL』

仕事を辞めて世捨て人として生きようとしていたとき、 オレはジム・ジャームッシュの『THE LIMITS OF CONTROL』(2009)を観て、 世捨て人として生きるという事は、こういう事だな。と実感する事ができたのだ。 だから、ジム・ジャームッシュに足を向けては眠…

■フランス映画をふらつく。

秋になるとイヴ・モンタンが好きなので、 オレは、「枯葉」から、「夕なぎ」とか「「真夜中の刑事」とか、 「ギャルソン!」とか「愛と宿命の泉」とか思い出す。 そうしてアラン・コルノーとかクロード・ソーテとか、 クロード・ミレールとかを観ているうち…

■「映画」は歴史を示唆している。

映画からオレは歴史を引き出してゆく。 だからオレは「映画」オタクとして、 映画こそは、人類史の遺産であるというスタンスだ。 其処には教科書にもメディアNEWSにも、 けっして語られなかった「歴史」の真実が潜んでいる。 たまたま見た「戒厳令=THE SIGE…

■『アメリカの友人』=この最高傑作がたまらない。

1977年に完成したこの作品が、日本公開されたのは、 10年後の1987年だ。そして90年代にLD化されて、 オレはようやく20年遅れでこの作品を観る事が出来た。 10年遅れどころか、20年遅れの、しょうもないオレの人生だ。 しかしそれから半世紀を過ぎても、 『ア…

■荻上直子監督ファン。

ヴィム・ヴェンダースの『パーフェクトディズ』を観ていたら、 アパートの畳に射し込む光の影の空気感に、 オレは『川っぺりムコリッタ』を思い出していた。 そう云えば荻上直子監督は、その後どうなっているのだろう。 そう思って調べて『波紋』(2022)を…

■「絶滅に寄せる哀歌」

印象的な現代音楽家エレニ・カラインドルーの、 2005年のアテネライブDVDを20年遅れで鑑賞した。 ギリシャは滅亡を繰り返した歴史を背負うから、 このコンサートと聴衆の熱狂は、 ギリシャやEUでは、大変な話題となったようだが、 極東の日本は遠い国だ。 《…