2024-10-27 ■リド島への帰り道。 旅 イタリア紀行 オレは水上バス「ヴァポレット」の柵に寄りかかって、 カナルグランデに沈んでゆく夕陽を眺めていた。 行き交うボートは、光の帯を避けるように遠ざかり、 それはやがて水の上を這う蟻のように見えてくる。 空と海の境の島に暮らすヴェネツィアの人々は、 こうした波間に浮かぶ等身大のモノサシの中で、 日々暮らしているのだ。